元ムトゥ:ラジニカーント主演の新作”Enthiran”のSFXがすごすぎる

後ろの外人に教えてもらったタミル映画"Enthiran"のSFXのハイライトを集めた動画に打ちのめされた。NGPのチェックよりこっち優先しちまった。なんとなく主演の人に見覚えがあると思ったら『ムトゥ踊るマハラジャ』の記憶も懐かしいラジニカーント。今もなお第一線で活躍っていうかまだトップスターらしい。すげー。

ストーリーは……、まあいいじゃない。とにかく塊魂みたくたくさんのラジニさんがボールになって回転しながら銃撃ちまくったあげく戦車につっこんで壊しまくったりとか、たくさんのラジニさんがゲーム『I.Q FINAL』のおまけムービーみたくリジッドな直方体になって兵隊なぎ倒したりとか、『ストライダー飛竜』の1面のボスみたくたくさんのラジニさんがつながって蛇になって車飲み込むとか、たくさんの(以下略)

動画はそれぞれ9分くらいあってそこそこ長いのでとりあえず下のダイジェストのダイジェストみてみて、よさげながら動画もどうぞ。たくさんのラジニさんはPart2のほうで観れますんで、そっちだけでもいいかも。Part1は意外に地味で、ヒロインの血を吸った蚊を「モスキートモード」を駆使して捕まえて謝罪させたり……やっぱ面白そうじゃないか。

D

D


■"Enthiran"ダイジェストのダイジェスト(タイトル、キャプションは適当です)

『オープニング:完成、ラジニロボ』

f:id:IDA-10:20110126201233j:image

ついに人型ロボットが完成!

f:id:IDA-10:20110126201234j:image

インド風ミュージックにあわせて踊りまくる

f:id:IDA-10:20110126201235j:image

あとは、人間のガワをかけて、サングラスをかければ……

f:id:IDA-10:20110126201214j:image

完成!ラジニロボ!イエス



『回れ!転がれ!スフィアフォーメーション!』

f:id:IDA-10:20110126201215j:image

敵に囲まれた!かくなる上はフォーメーションモード……

f:id:IDA-10:20110126201216j:image

球体!

f:id:IDA-10:20110126201217j:image

発射準備OK!

f:id:IDA-10:20110126201218j:image

回転してまき散らす!

f:id:IDA-10:20110126201219j:image

さらに転がる!



『ヘリを呑む!スネークフォーメーション!』

f:id:IDA-10:20110126201221j:image

フォーメーションモード……

f:id:IDA-10:20110126201220j:image

スネーク!

f:id:IDA-10:20110126201222j:image

車なんか……

f:id:IDA-10:20110126201223j:image

食べちゃう!

f:id:IDA-10:20110126201224j:image

む、ヘリが空に……

f:id:IDA-10:20110126201226j:image

食べちゃう!

f:id:IDA-10:20110126201225j:image

ちなみに表面はこんな感じ



『最終決戦!出でよ、巨大ラジニロボ!』

f:id:IDA-10:20110126201227j:image

地面から1人で出てくるラジニロボ

f:id:IDA-10:20110126201228j:image

いや、1人じゃない……これは……

f:id:IDA-10:20110126201229j:image

スーパーラジニロボッ!

f:id:IDA-10:20110126201230j:image

ババーン!

f:id:IDA-10:20110126201231j:image

ふぅ……

f:id:IDA-10:20110126201232j:image

いろいろ壊すよ!


このあとはいろいろあって尻つぼみに終わります。DVDを取り寄せ中なので、機会があればTwitterかなんかで感想書くかも。とりあえずの感想としては、ラジニさん1人で相当なギャラだとしてもこれだけCGで増殖させれば1ラジニ10ドルくらいになりそうでお得だと思いました。

なんでLEGOのゲームがすごいか淡々と挙げてみる

どーも、ゲーム業界においてLEGOシリーズが過小評価されてるような気がする。作りたいかどうかっていうより、金がかかりすぎてどーにもこーにも行き詰まった昨今のゲーム業界において、一つの答えを持っていると思うって話なのですが。ソースをいちいち出したりしないので、まあ話半分に。あと、ここでいうLEGOシリーズは主にTraveller's Tales開発のもの*1だと思ってください。

1. 世界観の設定に金がかからない

LEGOはもともとブロックのほうにコミックを同梱してまして、「原作をLEGO風にアレンジ」するリファレンスが多数あります。これはアーティストにとってつまらないかもしれませんが、意外に時間がかかる世界観のセッティングが早くすみます。

2. ゲームグラフィックに金がかからない

どこまでいってもLEGOなんで、モデリングにしても、パーティクルにしても、背景にしても、ライティングにしても、シェーダーにしても、たかが知れてるわけです。あとは実際のブロックがありますから、コンセプトアートにかかるコストもだいぶ安くすむはず(不要というわけではないです)。

3. アニメーションに金がかからない

必ずしも関節の数がアニメーションコストに直結するわけじゃないですが、Unchartedのキャラクターたちと比べれば、どうみてもあからさまに安いですよね。

4. 同じようなゲーム内容でもなんとなく許される

スターウォーズインディージョーンズバットマンハリーポッターもそれらの続編も乱暴に言ってしまえばまあ似たようなゲームデザインなんですが、どの作品もLEGOの世界観で統一されているからか、なんとなくアリなんですよね。これは初期のスターウォーズの功績だと思います。いっぱい壊せていろいろ集める。ボタン長押しで何か作れる。しかけに合わせてキャラ選択。ほんのり物理。それらの組み合わせでパズルを解いて先に進む。みたいな感じで、面白さがそれなりに保証されてるのは偉いです。

5. 力を入れて作る(コストをかける)ところが決まってる

有名原作がある作品の強みです。映画のハイライトシーンに注力すれば間違いない。これは意外に重要で、特にハイエンド機だとどこにコストかけるかの選択を誤るとそれはもう悲惨なことになります。

6. 内容の保証されたゲームの移植が可能

5に似てますが、ROCK BANDの移植がこれに当てはまります。理屈は有名原作のLEGOゲーム化と同じです。LEGOROCK BAND発表当初は誰が得すんだよ!って思いましたが、親が買ったROCK BANDのセットを子供が遊びたい遊びたい!って言われた時に与えるのにピッタリなんだなーと今は思います。だって高いしデカいし、せっかくなら子供にもやらせたいじゃないですか。

7. 他機種への移植が比較的容易

総合してグラフィックが安いってことは、マルチプラットフォーム展開のコストも比較的安く済むってことになりまして、制作費がより回収し易くなりますな。あと、外注に丸投げするにも先の述べたようにリファレンスが固いので、ある程度安心して任せられたらいいな。

8. 親が買い与えやすい

信頼のあるLEGOのブランドに乗っかれるのは、ほんと美味しいです。バットマンとか、スターウォーズとか、本家はうーんって思ってもLEGOならなんとなくOKになっちゃうわけです。

なんかまだまだ細かいところがあるような気がしますが、とりあえずバーッと思いついたところだけ。あとはTwitterでも書いたけど(http://twitter.com/IDA_10/status/11459516541435904)、安く早く面白く、かつ売れたって意味では"Shadow Complex"も良かった。実は理由もだいたいLEGOとかぶってるんですよね。リンク先では書かなかったけど、ゲーム内容もまんまおもろいどーって感じだし。

とかここまで書きつつ、身も蓋もないことを言うと、ゲームビジネスはもはやコンテンツ単体でどう採算とるかって時代じゃなくなってると思うんですけどね、正直。でも僕にとって、作りたいゲームを作るにあたって、規模が小さくてチャッチャと実現可能そうな提案ができれば、企画が通りやすいかなーと思ってるので、いろいろ考えたい所存です。はい。

レアとハマグリ

時は21世紀初頭。社内では、とあるオンラインRPGの続編の開発が走り始めていた。僕は別のプロジェクトに移っていった先輩より「アイテム業務全般」を引き継ぎ、そして、レアアイテムの出現率に頭を悩ませていた。

オリジナル作では、「真のレアアイテムとは、コミュニケーションを促進するため、話のネタにならなければいけない」という思想のもと、数万分の1の確率が当たり前、中には数千万分の1の確率でドロップというものまであった。つまり、狙って手に入れることはほぼ不可能なのが狙いであり、レア中のレアアイテムとは噂に上る程度の、あくまでもオマケ要素のはずだった。

もちろん、発売当初は立派にその役割を果たしていた。だが、それは3ヶ月、長くても半年を寿命と考えたバランスであった。嬉しい誤算ではあるが、オリジナルの発売から1年を過ぎてもプレイされ続け、ある者は自分のキャラクターを装飾したいという希望から、またある者は破格の攻撃力を手に入れたいという願いから、またまたある者は意中の人にプレゼントしたいがために、チャットの傍らではあるが、ゲームの目的は、攻略からレアアイテムの発掘に移っていった。

かくしてオリジナル作においてレアアイテムは、その極端な稀少さにもかかわらず、期せずして多くの人のゲーム上の目的として機能することになった。結果として、(当然ながら、)あまりの出現率の低さに少なくない数のユーザーの不満が爆発するに至った。オンラインゲーム故に、ユーザー間で容易に出現率が比較されたり、それらアイテムをゲーム内の正常な手続きなしで手に入れる行為が存在したのもその一助となったように思う。

僕が担当する別ハードでの続編では、その不満を解消せねばならない。僕はネットの掲示板に書き込まれるチームへの罵詈雑言を毎日のように眺めていた。そもそも矛盾している。なかなか出ないから「レア」と定義されるのだ。だからこその価値もあろう。設定上はレア(文字列が黄色いと、いわゆる「レア」と定義されていた)なのに出現率が高いと「カスレア」呼ばわりされていることからも明らかだ。なのに、出ないと怒る。気持ちはわかる。わかるが、僕にどうしろと。しかし、それをどうにかするのが僕の仕事だった。出現をコントロールする計算式を書いてはシミュレートして、納得がいかずにまた別の式を試す日々だった。

転機は意外なところに見つかった。潮干狩りである。

ゴールデンウィークをわずかに過ぎたタイミングで、親戚に誘われて、奥さんと子供と初めての潮干狩りに出かけた。ところが、目当てのアサリたちは、なかなか出てこない。連休中に大挙して訪れた人々によって採りつくされてしまったのだろうか。掘って掘って、ようやく出てきても、それは「シジミ」みたいな大きさのやつばかりなのだ。それが1分に1個くらいの割合で採れる。

うーんこりゃつらいなー、と思ったが、まれに、そう、10分にひとつくらいの割合で、大きさにして2倍くらい、大ぶりのしっかりとしたアサリが採れることがある。これが、結構うれしい。1時間ほど、「シジミ」ではない「アサリ」を目標に掘り続け、だいぶ腰が痛くなってきた。そろそろ、潮時かなーと思うころ、指先にいつもと違う感触が伝わってきた。

でかい。

でかいのだ。はやる心を抑えて慎重に掘り起こすと、なんと、ピカピカの「ハマグリ」ではないか。デカい。大きさが違う。「アサリ」のさらに2、3倍ある。周りで潮干狩っている人たちも祝福してくれた。

「すごいねー!」

「どうやってとったの?」

「見せて見せて!」

押し寄せる賞賛の声。

うれしい。相当うれしい。

そういうわけで、そろそろ止めようなんて気持ちはぶっ飛び、ハマグリを目標にさらに砂を掘り続けることを決意。その時、なんとはなしに、同じ場所をさらに掘ってみると、なんと、ハマグリがもう1個でてくるではないか。もしやと思い、そのすぐ周りを掘り返してみると、さらに1個。

かくして、その一箇所周辺から、合計5個のハマグリを出土した。気分はまるでパチンコの確立変動。もうちょっと続けると、アサリのほうも同じであることがわかってきた。大き目がとれたら、同じ場所を掘り続けることで、いくつも続く時があるのだ。もちろん、どれだけ掘っても続かないときもあり、うまくいかない。

というわけで、見事に潮時を失い、我に返ると3時間が経過していた。やばい。家族ときていることを忘れていた。しかも、金脈(俺が勝手に名づけた、アサリが続けて採れるポイント)を捜し歩いて、メチャメチャ遠くまで来てしまっている。これじゃあ、まるで迷子ではないか。

久しぶりに陸地を歩き、ずいぶんと重く感じる体をひきずって、家族のもとにたどり着く。ぶら下げた大量のアサリといくつかのハマグリを見て、仰天する家族と親戚。僕は、勢い込んで、奥さんに潮干狩りの魅力を語った。僕を潮に留めた、その絶妙なバランスを。

「いや、マジすごいんだって。10分くらいやってちょっと飽きてくるとさ、ちょっと大き目のアサリが採れるのよ。そんで、それを何ターンか繰り返して1時間くらい経つじゃない?もう、そろそろ帰ろうかなー、なんて思うとさ、出てきちゃうのよ、ハマグリが!そりゃあ、もうちょっとだけ、って思うわな。で、また、ちょっと大き目のアサリにつられてもう1時間よ。で、そろそろと思ったらハマグリじゃない?いや、ヤバいよ、このバランス…… …… ……あ!!!!!!!!!!!!!!」

これだこれだこれだこのバランスだ!!!!!

    • 退屈にならない程度の軽いつなぎに「シジミ
    • 15分から30分に1個くらい出現して、ある程度価値がある「アサリ」
    • プレイをやめようかと思うタイミングで出現する本命の「ハマグリ」

つまり、「ハマグリ」は頑張れば手に入るが、簡単には出現しない。でもその過程を楽しめるように、「シジミ」や「アサリ」が適度にドロップする。レアアイテムの出現率のコンセプトはこれでいくしかない!!!

さらに、

    • ほとんど出現しない、レア中のレア「ホタテ」
    • とある条件で連続してレアが出現しやすくなる「確変タイム」

みたいなところをオカズに加えて、最終的なバランスの方向を決定し、テストプレイを重ねて最終調整を加えていった。

その話を、会社のお昼のスピーチ(もちまわりで全員がする)でしたら、これが大ウケ。部内のバグチェックでは、レアアイテムが出るたびに、「IDA-10、これは、アサリ?ハマグリ?」とたずねられるハメになった。しばらくすると、みんな出現率の違いが体感できるようになって、「なんだシジミかよ……」「ハマグリおめ!」と楽しむようになってくれた。

この調整の結果がどうだったのかは、プレイしてくれた1人1人違うわけで、自己評価は「概ねOKっぽかった」くらいに留めたい。でも、たった数時間の体験によって、資料用のゲームをアホのように遊んだ経験や、何週間も重ねた机上の試行錯誤をぶっ飛ばして、スパっと仕様の方針が決った瞬間は、今も心に強く残っている。

このように、他のゲームや映画から思いついたアイデアをアレンジするのではなく、実体験を元にしたコンセプトの太さと強さはすさまじい。今なら、諸々のゲーム制作経験から、同じ結論を導き出せたかもしれない。でも、以降、ゲームの重要な要素の決定は、なるべく実際の経験から導きだすようにしている。その方が圧倒的に伝わりやすいし、そしてなにより、自分が楽しいのだ。

俺の車の暖房の性能がよすぎる

いや-、ベイエリア、まじ寒いっすわ。何でも近年まれに見る冷夏だそうで。夜の運転は暖房が基本です。で、例の車( アメリカで車を買った話 - GAME NEVER SLEEPS, Saturn崩壊の序章 - GAME NEVER SLEEPS)なんですけど、暖房のききがメチャメチャいいことにはじめて気づきました。

というのも、冬はそんな寒くないし、服着てるし、眠くなったら危ないしで、ほとんど暖房つけたことなかったんですよ。でも今は夏なんでTシャツに短パンとかじゃないですか。で夜すんごい冷えるんで風邪ひいちゃ大変だってんで暖房つけたと、そういうわけです。そうしたらですね、俺の車、ラジオの部分がなくてちょっとしたシャレオツ小物入れみたいになってるんですけど、

f:id:IDA-10:20100814230218j:image

ここから温かい空気がガンガン吹きだしてくるわけです。上にある正規の送風口なんてぜんぜんお呼びじゃない。つか、熱い。目が乾く。助けて!

ちなみに冷夏っつても昼は普通に暑いんですが、ガスいれてないんで冷房はでません。走ると外からの熱風が四角い暗闇からごうごう吹きだしてきます。熱い。コンタクトがとれる。誰か助けて!

アメリカではHALOのブロックが売ってる

f:id:IDA-10:20090811184549j:image

f:id:IDA-10:20090811184602j:image

さて私が住むアメリカでは"Halo: Reach"*1の発売も近づき、恒例の祭りの気配なんですが、今日の話は"HALO"のブロック。いやー、"HALO"とブロックって、対象年齢的にどうよ?って、ずーっとつっこみたかったんですよ。

このブロック、発売はたしか去年の今頃*2で、すぐなくなるだろうって思ってたんですが、TARGETとかToys"R"Usとかに今でも売ってる。いや、これすごいことなんです。これらの量販店の棚なんて取りたくて取れるもんじゃないですからね。こういう店におかれるってことは、アメリカ全土におかれてるってことで、ちゃんと売れてる(もしくは多大な所場代を払い続けてる)証拠です。

それにしたってHALOフランテャイズって北米では基本的にMature Rating、18才以上向けのゲームなわけで、いくらなんでも……って思ってよく見ると、これ"HALO WARS"のブロックで、なんとなく調べてみると"HALO WARS"だけレイティングが"Teen"で13才から15才向けになってる*3

だからなんだっていうと、これまたずーっと書きたかった北米・欧州ゲーム市場におけるLEGOフランチャイズの重要性と可能性みたいな話につながる(書いた→http://d.hatena.ne.jp/IDA-10/20101209)んですが、それはまた次の機会に。とりあえず、アメリカ人はヘイロー大好きだよねって話でした。

追記)ちなみにHALOのブロックはLEGOじゃなくてMEGA BLOCKです。

*1 Bungie.net : Halo Reach

*2:写真の日付見たらちょうど去年の今頃。

*3no title

リテイクを頼む時の魔法の一言

昔、自社ゲームのアニメの音声収録に立ち会ったことがあって、その時のディレクターの使った言い回しにすごく感心した。びっくりした演技が欲しいところで、声優さんが、驚きというよりは、嬉しそうなニュアンスでセリフを演じてしまった。そこでディレクターが、

「すみません!嬉しい演技すごく良かったんですが、ココ、ちょっとびっくりした感じの『ほう』でお願いできますか?」

というふうにリテイクをお願いしたのだ。この発言の『ほう』がすごいと思った。補完すると、

「すみません!(台本に書いてなくて、あなたが考えてやってくれた)嬉しい演技すごく良かったんですが、ココ(こちらの意図と違います)、(あなたは素晴らしい声優さんなのでどんなニュアンスでも演じられることをわかっています。なので、)ちょっとびっくりした感じの『ほう』でお願いできますか?」

という感じがする。たったこれだけの短いセリフに、最重要なリテイクの要求だけでなく、

  • 声優のミスにしないことで、テンションやノリをキープ
  • どころか声優の意図を汲んだ上で褒めてノセる
  • 台本にト書きがなかった脚本側の不手際がなぜかうやむやに
  • 声優への信頼を演出

こんなにすばらしい機能がある。

相手にとってイヤなことを要求するのに、相手にはそんなにイヤに聞こえない、収録の雰囲気も悪くしない、すばらしい言葉遣いだと思う。俺もこういうセリフをさりげなく使えるようになりたいが……

だいぶ修練が必要だな、こりゃ。