なんでLEGOのゲームがすごいか淡々と挙げてみる

どーも、ゲーム業界においてLEGOシリーズが過小評価されてるような気がする。作りたいかどうかっていうより、金がかかりすぎてどーにもこーにも行き詰まった昨今のゲーム業界において、一つの答えを持っていると思うって話なのですが。ソースをいちいち出したりしないので、まあ話半分に。あと、ここでいうLEGOシリーズは主にTraveller's Tales開発のもの*1だと思ってください。

1. 世界観の設定に金がかからない

LEGOはもともとブロックのほうにコミックを同梱してまして、「原作をLEGO風にアレンジ」するリファレンスが多数あります。これはアーティストにとってつまらないかもしれませんが、意外に時間がかかる世界観のセッティングが早くすみます。

2. ゲームグラフィックに金がかからない

どこまでいってもLEGOなんで、モデリングにしても、パーティクルにしても、背景にしても、ライティングにしても、シェーダーにしても、たかが知れてるわけです。あとは実際のブロックがありますから、コンセプトアートにかかるコストもだいぶ安くすむはず(不要というわけではないです)。

3. アニメーションに金がかからない

必ずしも関節の数がアニメーションコストに直結するわけじゃないですが、Unchartedのキャラクターたちと比べれば、どうみてもあからさまに安いですよね。

4. 同じようなゲーム内容でもなんとなく許される

スターウォーズインディージョーンズバットマンハリーポッターもそれらの続編も乱暴に言ってしまえばまあ似たようなゲームデザインなんですが、どの作品もLEGOの世界観で統一されているからか、なんとなくアリなんですよね。これは初期のスターウォーズの功績だと思います。いっぱい壊せていろいろ集める。ボタン長押しで何か作れる。しかけに合わせてキャラ選択。ほんのり物理。それらの組み合わせでパズルを解いて先に進む。みたいな感じで、面白さがそれなりに保証されてるのは偉いです。

5. 力を入れて作る(コストをかける)ところが決まってる

有名原作がある作品の強みです。映画のハイライトシーンに注力すれば間違いない。これは意外に重要で、特にハイエンド機だとどこにコストかけるかの選択を誤るとそれはもう悲惨なことになります。

6. 内容の保証されたゲームの移植が可能

5に似てますが、ROCK BANDの移植がこれに当てはまります。理屈は有名原作のLEGOゲーム化と同じです。LEGOROCK BAND発表当初は誰が得すんだよ!って思いましたが、親が買ったROCK BANDのセットを子供が遊びたい遊びたい!って言われた時に与えるのにピッタリなんだなーと今は思います。だって高いしデカいし、せっかくなら子供にもやらせたいじゃないですか。

7. 他機種への移植が比較的容易

総合してグラフィックが安いってことは、マルチプラットフォーム展開のコストも比較的安く済むってことになりまして、制作費がより回収し易くなりますな。あと、外注に丸投げするにも先の述べたようにリファレンスが固いので、ある程度安心して任せられたらいいな。

8. 親が買い与えやすい

信頼のあるLEGOのブランドに乗っかれるのは、ほんと美味しいです。バットマンとか、スターウォーズとか、本家はうーんって思ってもLEGOならなんとなくOKになっちゃうわけです。

なんかまだまだ細かいところがあるような気がしますが、とりあえずバーッと思いついたところだけ。あとはTwitterでも書いたけど(http://twitter.com/IDA_10/status/11459516541435904)、安く早く面白く、かつ売れたって意味では"Shadow Complex"も良かった。実は理由もだいたいLEGOとかぶってるんですよね。リンク先では書かなかったけど、ゲーム内容もまんまおもろいどーって感じだし。

とかここまで書きつつ、身も蓋もないことを言うと、ゲームビジネスはもはやコンテンツ単体でどう採算とるかって時代じゃなくなってると思うんですけどね、正直。でも僕にとって、作りたいゲームを作るにあたって、規模が小さくてチャッチャと実現可能そうな提案ができれば、企画が通りやすいかなーと思ってるので、いろいろ考えたい所存です。はい。