神は2度間違える

5歳の次男が「神様の言うとおり」を覚えた。牛乳を飲むためのコップを取る時も、車のシートに座る時も、神の御言葉を聞いている……わけでもない。

「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な・て・ん・の・か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り……あ、まちがえた!」

気に入らないと神様は間違えるのだ。

「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な・て・ん・の・か・み・さ・ま・の・い・う・と・お・り……あ、またまちがえた!」

同じところから始めたら同じ結果になることを分かってない。それをみた妻が結果が気に入らない時は言葉を足すんだよ、と教えた。

「……の言うとおり。……ちちわらどうじのたまてばこ!」

えー!えー!えー!えー!!何それ!なーにそれ!出身どこ?どこ中?誰?誰ですか「ちちわらどうじ」って?俺の場合、足すなら絶対これ。

「……の言うとおり。ナノナノナ!」

妻に腹をかかえて笑われた。なんでだろ。まあ、言葉を足すなんて小ざかしいことを覚えるより、神様が間違えると信じてるほうがずっと素敵なことだな、と思ったよ。ナノナノナ。