アメリカの発売から5ヶ月が経った今、僕が身をおくゲーム業界で一番ホットな話題は「Xbox360」のネーミングについてだ。まったく、この前代未聞のモンスターマシンの名前の由来ほど、諸説あり、エキサイティングな話題はない。
「Xbox360」、この意味深な英数字の組み合わせがどこから来たのかを解き明かすことに誰もが夢中になり、時にはつかみ合わんばかりの口論になっちまう。
もちろんこの僕とて例外ではない。考えをまとめるために、主流なものを集めただけでも、以下の6タイプがある。6つも、だぜ？これだけでも、かのマシンの人気が伺えようってもんだ。
報道によれば、「オンライン機能を活用して、プレーヤーを中心に360度の世界が広がる」「臨場感のある映像と効果音でプレーヤーを360度包み込む」という意味が込められているのだという。
MS社のXbox開発責任者J・アラード・チーフXNAオフィサーは「ハイビジョン時代のデジタルエンターテインメントの中心に据える製品を考えた」と語る。
名称の「360」は、360度全方向のエンターテインメント体験を意味するものとされているが、対抗相手であるプレイステーション「3」にXbox「2」では性能的に負けているという印象を与えるためだ、との見方が強い。
で、このような３６０を数字の並びとして取り扱うということは、ジャグリングのサイトスワップ（音楽でいう譜面のようなもの）が思いおこされるわけでして、試しに解析してみたところ、サイトスワップ「３ ６ ０」で、３つのボールでやたらと高い「ボックス」のような技をやることになるわけでして、ここに見事に「３６０」の由来が解明されました。
昨日Xbox360をもらったの！ でも残念、熱暴走して動かないのよ。日本で友人達と一緒にゲームしようと思ったんだけど、クラッシュしたの。 電源デカイわね！ とりあえずなんでXbox2じゃなくてXbox360という名前にしたのかはわかったわ。温度が360度になるからよ！
わかってる。他にも山ほどあるってことくらい。「R360を意識してる」説？「326をdisってる」説？オーケィ、オーケィ。でも、もう十分さ。どれもじきに収まるだろう。なぜって？この僕がその由来を完全に説き明かしたから。とりあえず、下の方程式を見てくれるかな。
Xbox ＝ box ＝ □ ＝ 四角
360 ＝ circle ＝ ○ ＝ 丸
君たち、「背理」って知ってるかい？そうさ、「丸い四角」みたいな、論理的に証明不可能な命題のことだよ。上の方程式を見れば、Xbox360が、その名前に「四角」かつ「丸」という背理を含んでいるのが一目瞭然だろう？さらに、ここにXboxのＸまで加わる。
「Ｘ□○」
どうだい？プレイステーションのボタン配置まで表現しちゃって、これはもう、究極に自己矛盾した名前ってわけ。そう、Xbox360の名前の由来は、「矛盾」からきてるんだよ。
考えてみてくれよ。「全世代に売りたい。Xboxと同じ轍は踏まない」とか言いながら、本体発売前の公約ソフトは息遣いまでリアルな戦争ゲー「Call of Duty 2」で、しかも日本じゃいまだに出てねえし、日本ロンチの半年後に第2のロンチをやり直すとかいうはっちゃけた戦略をとりながら、そのロンチの目玉も「クローム・ハウンズ」やら「Ghost Recon」といったリアル描写の戦争もの。普通の神経じゃ考えられない戦略だろ？
でも、これでわかったかい？実は、「Xbox360」は、その名に隠された背理的な意味を証明するがごとく、矛盾した行動を繰り返していたってわけ。つまり、彼らにとって、おかしな行動をとるのが当たり前なんだ。そういう思いを込めて付けられた名前だからね。
善と悪、普遍と特殊、清と濁、数え切れない矛盾を抱えて生きる僕ら。そう、ある意味Xbox360は、僕らの生まれ変わりでもあるんだよね。そう考えると、Xbox360にちょっぴり愛着が湧いてこないかい？
前述のマリガンに対して、ものすごい名文でやんわりと遺憾の意を表明(http://gmk.9bit.org/note/20060405-nofuture.htm)したゲーモク氏をはじめ、何やってんだマイクロソフト！と彼らの行動に疑問をもってる皆さんも、少しだけ、彼らを許してあげられるだろうか？僕は、これを知ったことで、そんなRockin'な彼らが、ますます好きになっちまったよ。
