ゲームなんてものを作ってますと、わりとよく、「なんでも反論する人」にでくわします。アメリカ来たから一安心かと思いきや、やっぱりいるんです。とにかく否定から入ってくる。でも、いくら話しを聞いても何を批判してるのかわからない。困ったもんです。この手の人たちはなぜか企画系に多いですな。
「頼まれてたエネミーの仕様ですけど、こんな感じでどうでしょう?」
(しばし読む)
「んー、ちょっとアレだねー」
「アレっすか、いまいちですか?」
「あー、いまいちってわけじゃないんだけどさー、攻撃がアレかなー」
「普通すぎとかですか?」
「いやー、普通すぎってわけじゃないよね、別に……」
(ハァ?)
「それでIDA-10さあ、このエネミー倒せるんだよね?」
「まあ、ゲームですから倒せないとバグですよね」
「そうかな?」
「え?」
「え?」
いや、ほんとにいるんですよ、こういう人。特に主張があるわけでもないのに、とりあえず「いやそれはさ……」みたいに返す人。なにが、そうさせるんでしょうね。ここだけの話、企画職の中でもほんとに企画しかできない、自称「アイデアマン」に多い気がします。コンプレックスから生まれる心の闇がそうさせるんでしょうかね。
や、企画がいらないってんじゃないですよ、こんな記事(それでもゲームデザイナがゲームデザインする理由 - GAME NEVER SLEEPS)も書いてるくらいですし。ただ、よっぽど飛び抜けた発想力でもないかぎり、アイデアしか出せない人間なんてゲーム作るのにいらないわけですよ。
閑話休題。で、中にはさらにこじらせて説教属性が加わってる悪魔超人もいてですね、ミーティング中にこれが始まっちゃうとほんとに困ります。みんなの前で口論するわけにもいかないし、でもなんか俺批判されてるし。どうしろと。
「じゃあ、このオブジェクトに貼るテクスチャは1024x1024で解像度ちょい高めにいって良いですね」
「いやー、ニゴロ(256x256)で十分じゃない?」
「あー、でもわりと近くで見えちゃいますし、敵もあんまりでないんで……じゃあ、512x512にします?」
「昔はさー、ゴイッチニー(512)なんて贅沢でつかえなかったけどなあー」
「ここはちょっと贅沢でも大丈夫ですんで」
「いやここだけの問題じゃなくてさ、ディスク容量とか大丈夫?」
「はあ……」
「グラフィックに頼ってもゲームが面白くなるわけじゃないぞー」
こんな感じで埒があかない。この人が素材をつくるわけじゃないんですよ?しょうがないから、後でなんだかんだ言って差し替えればいいかーとか考えながらその場は妥協しようともちかける。
「じゃあ、256x256でいきましょうか」
「うーん、それはそれで難しいんだよなー」
どっちだよ!
「いや、ぶっちゃけ256ないっすよ、とりあえず1024x1024でいきましょう」
「IDA-10なー、なんでも否定から入るの良くないぞー」
俺かよ!
左様にゲーム制作ってものは気疲れがするものでございまして、結局何が言いたいかというと、日本もアメリカもまあ変わらんなと。困った人は万国共通だったって話でした。