ジャパンタウンの和食屋で海鮮丼オーダーしたら

1月から途中参加してるプロジェクトもすっかり佳境。クランチ恒例のタダ飯、通称「ドッグフード」が毎夜オフィスでふるまわれている。その通り名からも推測できるように、だいたいジャンクなうえにローテーションも決まっており、どうしても違うものが食べたくなる日がある。

今日は、すっかり顔なじみになった、近くのピザ屋からやって来るいかにもピザ大好き!って風貌のデカい人、通称「ピザ」がどっさり届けてくれたピザの匂いにげんなりしたところで、突然、海の幸が恋しくなり、会社からほど近いサンノゼのジャパンタウンに繰り出した。

よく行ってた店は土曜の8時というタイミングのせいかけっこうな行列。それじゃあこっち、あれ?行列。しょうがないなー、こっちは……行列。

このタイミングで俺のナウ海鮮食べたい欲は最高潮に達しており、もはや、それ以外を口に入れるなど考えも及ばず、気がついたら店の表に"SASHIMI BOWL"(BOWLは丼モノのこと)と張り紙がはってある典型的なアメリカンジャパニーズレストランのドアを押していた。

メニューには「トンカツソバ」に「テンプラカレー」と、まあ、常識の範囲内の和食が並ぶなか、張り紙のあった"SASHIMI BOWL"の他に、なんということか"KAISEN BOWL"があるではないか。やった!勝った!と迷わず注文。

透明なグラスに入った熱い緑茶を飲みながら待つことしばし、出てきたのは……、出てきたのは……、どう見ても海鮮丼ではない、そう"KAISEN BOWL"そのものだった。

申し訳程度にのったマグロの刺身のとなりは、紅白のカマボコ。まあ、魚からできてるしね。となりは、小魚の佃煮。まあ、魚だよね。となりのグチャグチャにコーンが混じってるやつは……、わかった!シーチキン!それが、ニンジンにのっかってる……っておい、よく見たら魚の形に型抜きされてんじゃん!おやじ、一本!

ここまでくると、もはや大喜利。ツマのつもりなのはわかるけど、つたなく刻まれただけで、ぜんぜん切れてない大根も、「海鮮だけに『ツナ』がっております!」とかどうでもいい思考が浮かんでくる。つうか、俺もなんか思いつかないと負けな気がしてきた。えーと、えーと、マンゴーにマグロの刺身をのせて電球しこむってどうだろう。その心は、トロが光ってトロピカルぅー……ってやかましいわ。こんな店、同僚つれてまた来るからな。