ゲームを面白くする前に絶対解決すべき3つのポイント

身が焼かれる思いで読んだ島国さんのエントリ。

 対案が無いダメだしには存在価値が無い。

 対案があれば良いかといえば、ロクでも無い対案を出す人も居る。

 もっと、派手にしましょう。

 もっと、敵の種類を増やしましょう。

 もっと、もっとサクサクすすむようにしましょう。

 こういう仕様を追加しましょう。

 ここの仕様を、ごっそり変更しましょう。

 コスト意識の無い対案は、糞以下だったりする。

ゲームが糞だと指摘すること。 島国大和のド畜生

偉い人ならともかく(困るけど)、現場レベルでもこういう人は量産型のザクくらいザクザクいる。

基本的に僕もおもしろいゲームを作る鍵は一点突破だと思っている(http://kikuchia.blog.drecom.jp/archive/73)し、幸いにも実践するチャンスを与えられて、ある程度の成果があり、それを確信してる。


ががが、しかし、それにこだわる前に、これだけは少なくともなんとかしておくべきだった!っていうリストがある。自戒をこめてここに記すので、未来の僕は必見。必ず参考にするように。というわけでリストはこちら。


  1. プレイヤが見たいところを撮すカメラ
  2. プレイヤが操作したいように操作できるコントロール仕様
  3. プレイヤが遊びたい部分が遊べるチェック/セーブポイント*1

え?バカでもわかる?

じゃあよかった!絶対なんとかしてください!


なぜか?


もちろんユーザーのためだが、他にもシンプルな理由がある。アメリカのレビューでは大手から零細にいたるまで、ここが弱いときっちり叩いてくるのだ。それぞれ-1はカタい。つまりその他がパーフェクトなゲームでも7点になる。そうじゃなければ6点に5点になる。買う人が減る。たとえ一点だけ突き抜けたおもしろさを持っていても、メタスコアで5点のゲームは手に取られづらい。大変困る。

テスターからベータ直前に来たカメラのインバートのリクエストを突っぱねて、あまたのレビューとYoutubeの実況動画でボロクソけなされた僕が言うんだ、間違いない。通常だったらそのタイミングでカメラのコンフィグを入れるとか正気じゃない。でもやるべきだった。カメラ操作の反転機能は、その1と2を同時に侵害している、極めて重要なポイントだった。


いや、わかるよ、ちょう大変。特に中盤以降に「あとXヶ月でE感じにヨロ」ってプロジェクトに放り込まれたりした場合はなおさら。無理?じゃあ、せめて2つはなんとかしよう。いや、できる範囲でいいから、少しでもがんばろう。


ボスに自動で注視する専用カメラのせいでプレイヤがフレームから外れるなら、キャラが小さくなることを恐れずアホみたいに引くか、いっそのことマニュアルカメラにしよう。

攻撃ボタンがトリガーかバンパーで部内でモメるならコンフィグをいれよう。

やたら死ぬ場所の手前に今からチェックポイントを足せないなら、誰でもクリアできるようにしてしまおう。

その程度でもいい。絶対やろう。


アメリカに来て、いくつかのゲームのマスターアップを経た個人的な実感だが、アメリカ人は自分の自由が侵害されるのを極端に嫌う*2。実はリストの1から3は、プレイヤの自由をいろいろ侵害しているという意味で共通している。


というわけで、ひさびさの企画道は、ゲームのおもしろさを追求しつつ、彼らの法も守りましょうという話。

ちなみに、あえてレビューのスコアを持ち出してるのは、具体的なデータを提出できるという意味で、こう言ったほうが仕様変更/追加を通しやすいから。ユーザーフレンドリーだから、っていっても偉い人はあんま聞いてくれないので。

*1:頻繁かつ長時間なロード待ちの回避とかも含む。

*2:誤解しないで欲しいのは、ゲーム内の自由ではなくて、あくまでも現実のプレイヤの自由だ。別にアメリカ人がみんなゲーム内で自由に人を殺したいと思っているわけじゃない。