別に「洋ゲー好き=スペック至上主義」じゃないよな

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ごく一部で話題の「Bully」も買ったけど、とりあえず「Gears of War」プレイ中。おもろい。衛星レーザー誘導できんの最高。SOL万歳。プレイメモはいずれ書きます。

で、遊んでて再確認したのは、「あー、俺が洋ゲーに求めてるのって、別にスペック的マッチョじゃなくて、この種の世界観だったよな」ってこと。荒廃、退廃、ガチムチおやじ。錆びた鋼鉄、砂嵐。自由、平等、おかまバー。「この種の世界観」っていうのは、別に「Gears of War」的な近未来SFコンバットが好みってわけじゃなくて、洋ゲーならではのシュールさっていうか、そういう空気のこと。

なんつーか、日本のほうが圧倒的に技術的にもデザイン的にも優れていた時代から、俺は洋ゲーが好きだった。それはやっぱり独特の雰囲気にしびれてたからだと思う。挙げればキリがないけど、ゲーセンでいえばATARI社の「マーブルマッドネス」や「インディージョーンズ」だったり、メガドラでいえば「ファットマン」だったり、「ソード・オブ・ソダン」だったり、「トージャム&アール」だったり、「ウィザード・オブ・イモータル」だったり……もういいか。

あの頃、メガドラで遊べた洋ゲーのほとんどは優れたゲームだと言いがたかった。それでも、俺が遊びたいと思ったのは、日本人にはどうにも産み出せない、言ってしまえば気違いじみた世界に浸れるからだった。そうだった。で、「Gears of War」には久々に原始的洋ゲー体験を呼び覚ます、強烈な狂気みたいなのを感じたのだ。おっさんたちの血管は、ポリゴンで作ってんじゃないの?ってくらい浮き出ていて、次世代表現を思う存分使って汚い腐った世界を表現している、その理解しがたい情熱。

近年、洋ゲーは、言いたくない言葉だけど「ウェルメイド」な作品が爆発的に増えてきていると思う。同じGOWであるところの「God of War」(プレイメモ→id:IDA-10:20060602:1149237219)なんてほんと「よくできて」いて、文句のつけようもない(それでもハゲオヤジが主人公だとか、セックスシーンとか、普通じゃない感じはあるけどさ)。同時に、洋ゲーのコンシューマ業界では、ハイスペック志向が強くて、特に日本のネット界隈では「洋ゲー好き=スペック至上主義」なんてレッテルを貼られがちだ。でも、一ゲームファンとしての俺が洋ゲーに求めているのは、あくまで「頭おかしくなりそうな世界に浸る時間」っつーことで。

だから「JAWS Unleashed」(プレイメモ→id:IDA-10:20060602:1149248548)とか、難しすぎてクリアできてないけど、すげー満足。内容?えーと、ジャンルで言うとローグライクに分類されるのかな……、あれは。

追記)

うー、なんか言い足りない。話を俺個人から洋ゲーファンまで広げても、洋ゲーファンにスペック語りが好きな人が多そうな印象があるのは否定できないけどさ。でも、まあ、それって好きなゲームの魅力を語るのに「美麗なグラフィック」とか「物理エンジン」とかって一番わかりやすい説明材料だからかなあ。

俺の場合はすでに書いたように、雰囲気が一番の魅力であることが多いけど、それを抜かしたら「いやー、オヤジの顔の古傷がメチャメチャいいバンプマップで彫られててさ!ありゃあ、『シェンムー』のオヤジを超えたね!」とかさ、「敵の体がバラバラにちぎれてさ、仲間が蹴ると物理で転がるんだよね!」とかさ、話がグラフィック万歳とか、技術万歳とかそうかんじになっちゃうもんな。ちょっと違う気もするけど。

でもさ、それって、汚い顔とかにおもくそ技術を注ぎこんじゃう、あーなんだろ、ひたむきさ?いやはっきり言おう、頭の悪さ、だ。それがイカしてるんだよ。かかるんだよ、金が。立ち行かなくなってるんだよ、そんなゲーム開発。日本では。それをさしたる疑問ももたず、真っ向からがしがしマッチョなゲームを作ってる様に、シンンパシーっつーか、頼もしさっつーか、そんな感情を抱いてしまう。「Gears of War」とかさ、GDCで「いろいろがんばって安く仕上げた!」とか自慢してたけどさ、日本じゃ誰も作れないよ、あんなゲーム。

まだあるか。ひたむきに先端技術を追求してる姿勢と、そこから生み出されるゲームデザインのリッチさは、やっぱり、幸せな感じがする。もちろん、いつ覚めるかわからない夢だと気づいてしまっている僕らは、なおさら、今のとことんリッチに作りこむ洋ゲーに花火のような美しさを感じてしまうのかもしれない。

うーむ、だんだん何が言いたいか分からなくなってきた。要するに、「洋ゲーファン=スペック至上主義」ってレッテル貼られるのに、つねづね違和感を感じていたんだけど、なんかこれ、結局、その通りって気もしてきたな。ま、いいか。楽しければ。