PS3発表会と優越感

さっき、会社の人たちと、ネット中継でPS3の発表を見ていた。ろくまんえんかー、とか、コントローラーがーとか、いろいろ盛り上がったが、その場で面白かったこと。

隣り合う2つのパーテーションで、それぞれ中継を見ていたのだけど、マシンのせいか、ネットワークのせいか、僕が見ていたほうの中継のほうが、隣よりも数秒だけ早く再生されていた。

小太りが見慣れたコントローラを取り出したのを見て、「なんだよー、コントローラ結局一緒かよ!」とか声を上げた後、隣のブースに集まった人たちから「一緒かよー!」と聞こえてきたんで気づいた。

面白かったのは、たったその数秒早く情報を知っているだけで、ちゃーんと優越感が味わえたこと。その優越感を感じていたのは僕だけじゃなかったはず。その証拠に、「11月発売!」とか、「あー、コントローラで傾きやるんだー」とか、数秒遅れで隣が知った時に、「もう知ってるもんねー」といちいち先輩が嬉しそうにつぶやいていた。

でもね、この人、開発側の偉い人として、この発表前から部内にも言えないようなこといろいろ知ってたんですよ。そんな人でも、たった数秒早く知ってるこの状況に対して、新しい優越感を感じてしまうのかーと感心した。

というわけで、こんなささやかなことでも感じてしまう、この優越感っていうのは、ゲームの中でも、いろんなところに応用できそうだなあと思った。ゲームの中で嬉しいって思う要素を分解すると、けっこう優越感って要素が含まれてるんじゃないだろうか。

なんだろ、「ソロモンの鍵」で毛玉みたいなやつを孤立したブロックに取り残した時がぱっと浮かんだけど。

自分のプレイで、今まで苦労した敵を、自分の気持ちしだいでどーにでもできる時ってことかなあ。で、それが、ゲームクリアに関わってるとなお良し。「ソロモンの鍵」だと、それで毛玉どうしのタイミングを合わせてから、もう一回開放して、別の場所でまとめて閉じ込めたりするしね。

これで自分のデザインがいいかどうかのチェック項目がひとつ増えた。優越感を感じれるかどうか。あと、仕様を通すときに言える言葉が増えたね。「いやー、この仕様って、これこれこうで、優越感を感じれるじゃないですか。人間が持ってる感情の中でも、優越感って意外に嬉しくて強い要素なんですよ。実は、PS3の発表の時にこんなことがありましてね……」って、誰が引っかかるか。

まあ、なんだ。それにしても、最先端のゲーム機を見て、「ソロモンの鍵」のこととか考えてて大丈夫かな俺。