タグ[企画道]は、主に他人様に講釈たれてくださいと依頼されたとき*1、慌てずにそれっぽい言葉を吐くためのメモです。
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「となりのトトロ」で登場する「マックロクロスケ」であるが、これは、古い家が持つ言葉にできぬ独特の雰囲気にかたちを与えたという意味で表現上の偉大な発明*2だと思う。これまで、その種の雰囲気は「なんかいそう」としか言い表すことができなかったのが、「となりのトトロ」の中では「マックロクロスケがいる」という可視化された具体的な表現となっており、それを通じて僕らにもその家の独特の雰囲気が伝わるようになっている。
これってゲームデザインにも言えるよなと思った。
もともと人間が持っているけど、言葉にできていない「気持ちいいと感じる瞬間」に、「ゲームデザイン」という遊ぶことができる具体的なかたちを与えることで、ユーザーに同じ快感を追体験できるようにする。
例えば、小2の時にスーパーマリオでクリボーをヒョコっと踏みつけるまで、僕はゲームの中で踏みつけてやっつける気持ちよさを知らなかった。これは、もともと僕がもっていた快感発生スイッチを上手に押してくれた一つの例だ。頭の中にある「なんかを狙って踏みつける瞬間って、実は気持ちいいよなあ」という意識すらしていない領域に、鮮やかにかたちを与えてくれたわけだ。
「名作は一つの動詞から生まれる」とは、ゲームフリークの田尻氏の言葉だったと思うが、これはつまり、それまではっきりと意識していなかった快感を掘り起こすことから始まるのだと思う。
というわけで、僕も「タピオカ一粒を前歯で上手に噛めた瞬間の気持ちよさ」をゲーム化するべく頑張ります。